2020年は前記事で紹介している川俣町のビデオと合わせてもう一つ須賀川松明あかしというお祭りの記録映像の制作を担当しました。夏の終わりきらない9月末から撮影を重ねて4日間の製作工程と本番1日の計5日間の撮影ではありましたが、撮影スパンが長く非常に長期間に渡って密着していた気分になりました。

四半期を密着したお祭りの行方

一日の撮影時間が8時間を超えることもあり、更にはその撮影素材を見直す作業もありましたので、かなり長い時間このお祭りに関わっていた感覚が編集をしている今も残っています。

自分はその場は撮影でしか関わっていなかったのですが、お祭りの当日の点火式の式中で松明をもりたてる会の会長が本来ならば30本以上の松明が設置されている中、今年は1本しか立っていないという言葉になにか感慨深いものを感じました。
この1本に火を灯すためだけに集まり製作を続けてきた会のメンバーたち。そして、この灯された明かりが歴史を途絶えさせないという強い思いが集約され、大きく燃え上がる松明。

祭りの部分のみを編集した速報映像も担当させていただきました。翌日に撮影データを確認し翌々日にはお渡しし、公式サイトの方にアップしていただけました。

実際、例年なら20分ほどで燃え尽きてしまう松明の灯は1時間を超えても盛んに燃え続け、空を焦がし続けました。

夜間撮影に有用な7Cの実力

今回の撮影ではPanasonicのLUMIX DMG-G8とSonyのα7C、CanonのXA20を使用しました。祭り本番ではα7CとXA20で撮影しています。α7Cが夜間の撮影にここまで強力に機能するというのは想定外でした。

α7CにはSmallRigのカメラリグを装着しています。松明あかしの撮影で使用したのレンズはTAMRON社製の28-200mmで、広角端でf値2.8と明るく見た目以上に軽いので取り回しがしやすく綺麗な映像を撮影することができました。
本番ではここにRODEのVideoMic NTGを装着して音声収録も同時に行いました。写真では見えづらいのですが、コールドシューもリグ側に一箇所あるので色々と拡張が便利です。

フルサイズセンサー機を仕事で使用することが初めてで、夜間撮影に強い設定も存在していたとは思いますが自分の設定でここまで追い込めたのは収穫でした。

過程を追いかける仕事が楽しい

今までも撮影のお仕事はたくさん頂戴し、いろいろなところへ撮影に行ったり現地の方とお話する機会はありましたが、これだけ長期間に渡って製作過程に密着する撮影は始めての経験でした。会の参加者のお名前を全員分覚えることが出来なかったのは心残りです。福島県の大きな祭りの一つである須賀川松明あかしに関われたことはこの上ない貴重な体験であったことは間違いなく、自分の中の今後の方向性の一つの指針になりました。

2021年1月8日 追記:
制作を担当させていただきました、本編映像が須賀川市公式チャンネルにアップされましたのでこちらでも共有します。ぜひ御覧ください。松明をもりたてる会の祭りと松明にかける思いを感じ取っていただけたら幸いです。

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